音とハコブネ ~ひらいまき~ ①2024年02月26日 12:57

この世界に満ちている音。
もしかしたらこの世界すべてが音なのかもしれない。

普段の暮らしの中では、はっきりそうと感じることは少ない。
けれど、確かに音の存在を感じとり、うごいている人はいる。

そんな人たちの一人、ひらいまきさんの書いた文章を紹介する。

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音とハコブネ ①

ある先生方との出あいがあり、メルヘンの素話を教えて頂いた。
 
メルヘンを音だけで、伝える。
 
6歳の息子と3歳の娘は、夢中になって聞き入っている様子で、何度も何度も、同じお話をしてほしいと言ってくる。
 
彼らは、その語りのことばを、ずいぶんと覚えていて、ふと気づけば、それぞれに、伝えた物語の音を出している。
 
息子と娘が左手を使って行為することが多いのに気づいて、左利きについて考えたり調べたりするうちに、なぜか、カタカムナのことが気になった。
 
カタカムナの本がうちに来た日に、息子がその本に、渦巻き状に書かれてあったカタカムナ文字を、かいてほしいと言ってきた。
 
息子がハサミで紙を丸く切り、その紙にカタカムナ文字を、一つ一つうつしていった。
 
私も息子も、休まず続け、娘は息子の真似をして、ハサミで紙を丸く切って遊んでいた。
 
小さな子どもたちにとって、ハサミを使って丸く切る行為や、それを黙々と続ける、っていうのは、日常に関わる中でみていても、結構大変なことにちがいないとおもうのだが、わたしたち三人は、それをその一時に、やり遂げることが出来た。
 
何年も前に、恩師に教えて頂いた「はこぶね」のことが、子どもたちと関わる暮らしの中で、立ち上がってきた。
 
2024年、「音とハコブネ」をテーマに、わたしは動いていくし、また、動かされていくことになる予感がある。
 
 
瀬戸内海に浮かぶ島より。
ひらいまき