音とハコブネ ~ひらいまき~ ③2024年02月28日 04:43

音とハコブネ③

 瀬戸内に住む仲間と、自主保育をしている。小学校入学前の子どもたちと、そのお母さんたちが集い、海や山など、自然の中、と呼ばれる場所で、ただ遊ぶ。
 息子が2歳の時に、この、『島のようちえん自主保育にじっこ』がはじまり、4年が過ぎた。
 
 以下は、年末のにじっこの出来事である。
 
 はじめは海で遊んでいたのが、近くの神社で地元の人と夫が、しめ縄づくりをしているので、見に行くことになった。
 
 神社に行って後、6歳の男の子が、その神社のオオモトであるお山、霊山行者山にのぼりたいと言い出して、登山口までぐんぐん歩いて行った。
 
 行者山という名を持っているのは、その昔、行者さんたちがのぼり降りした、といわれがあるからで、山頂までは、子どもたちなら15分ほどでのぼることができる距離ではあるが、傾斜はきつい。落ち葉が沢山の季節で、雨の降った後、山道がすべりやすくなっているのは予想できた。
 
 のぼりたい気持ちは受けとったところで、一度は相談してみたが、6歳の男の子二人。2歳の時から、ずっとにじっこで遊んできた二人。あっというまに、山をのぼりはじめてしまった。親たちと小さな子は、登山口で待つ流れになる。
 途中、「大丈夫だよ」を伝える「ヤッホー」という叫び声を何度も送ってくれた。
 
 そろそろ、山頂に着いたかなという気配がした時、急に風がふいて木々がゆれて、山のざわめきを、きいた。不思議な瞬間だった。それからまもなくして風は止み、降りてくる子どもたちの声が近づいてきて、無事、かえってきたのであった。

  にじっこで、子どもたちは、そこにあるものだけで、ずっと遊んでいる。落ちている木の棒、貝殻、砂、石、水…。その姿をみていると、「原初のよろこび」ということばが、立ち上がってくる。
 
 4年の歳月、小さい子どもたちと駆け抜けた日々は、自分のからだとこころの軟弱さに、うちひしがれることばかりであった。
 
 ぐちゃぐちゃに、どろどろになって、ようやく、ハコブネのイメージがやってきてくれた、というわけである。

 
瀬戸内の島より。
ひらいまき
――――――――――――――――――――――――――――

音とハコブネ   ~古のころ ハコブネにのった人びとは 音を知っていた~
nalu 春分 声音ノ環
開催| 2024年3月20日(水祝) 於とうかげん
     春分 声音ノ環 10:30~
     nalu live 14:00~
内容| 春分 声音ノ環 (定員15名 料金3,500円 ワーク・ライブの通し参加は5000円)
     nalu live (定員20名程度 料金2,500円)
   ※ワーク・ライブ参加者全員に『島のおやつ工房Lani』さんのヴィーガンクッキープレゼント。
食事|とうかげん提供(1,000円 お茶付き) ワーク後のシェアリングもかねて
   食事なし、お弁当持参も可。
ご予約・お問い合わせ|とうかげん toukagen.contact@gmail.com

nalu https://www.instagram.com/nalu_satomi/

コメント

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://toukagen-bigisland.asablo.jp/blog/2024/02/28/9663164/tb