自主保育の世界2024年12月05日 14:16

自主保育の世界に入ったのは、
もう、そこに入るしかない状況だったからだ。

息子を保育園に預けて、
働きに出ようと思っていた。
それが叶わない状況があった。
息子は生後6か月を過ぎた頃から、
湿疹が出始めて、
1歳の秋を過ぎて、喘息が出始め、
1歳の冬には、重度のアトピーの子になっていた。
顔や頭はドロドロで、
かゆくてかきむしるから、
しょっちゅう、血だらけになる。
加えて、様々なものに対するアレルギーがあったから、
保育園に行かせるという道は、わたしたちにはなかった。


息子2歳の秋、かねてより自主保育をしたいと強くおもっていた人との出会いがあり、わたしは『自主保育』を経験することになった。
自然の中で、出来るだけ制限のない環境の中で、
のびやかに子どもたちが遊ぶ世界がそこにはあった。
わたしは、自主保育に関わることで、
からだも、こころも、ずいぶんと鍛えられた。
息子がいなければ、すぐにやめてしまっていたことだろう。

息子は、保育園にも幼稚園にも行かず、小学生になった。
7歳になった息子をみながら、
自主保育という場の面白さが、じわじわと感じられるようになった。
そもそも、そこにしか道がなかったから入った世界である。
湧き上がる感情にぐらぐらしながら、からだを使い果たしながら、
歯を食いしばってやってきたから、
真っ只中に、たのしむ余裕などなかった。
何が起こるか、何になるのか、
その時には、わからずともいいのだ。
未知の世界に入っていくことは、
未知の自分に出合う、ということだけは、
わかっているから。